鍼灸は漢方薬と並んで東洋医学の代表的な治療法です。 昔から伝わっているもので効果は折り紙つき。 長い年月をかけて経験と知識が蓄積された伝統医学。

と言うのは実は昔の話です。

現代の鍼灸の多くは西洋医学化されてしまっていて本来の効きは出せていません。 日本の東洋医学は明治の初めに国策によって一度、滅んでいますからその後の復興過程でどうしても西洋医学の影響を強く受けてしまっているのです。

例えば、現代解剖学の考えによって行われる鍼灸。これは運動器系の痛み止めにはよく効きます。現代の多くの鍼灸はこのタイプです。 電気を流すのもよく見かけます。機械化されていて完全に西洋的な治療です。

鍼灸は物理療法と呼ばれる治療法の1つに分類されています。この考え方だと別に鍼灸のはりを使う必要はありません。普通の注射針でも同じ効果が出ます。

つまりはりを刺すという行為そのものには東洋も西洋も無いわけです。 じゃあ、何が西洋医学と東洋医学を分けているのかというとこれは考え方です。治療するために西洋医学の知識を使うのか、東洋医学の知識を使うのかということです。

考え方なので普通の人には西洋と東洋どちらを使ってはりをしているのかは見分けられません。 なので鍼灸=東洋医学といったイメージだけで話が進んでいる方が多いです。 

実はこういった事は鍼灸師自身も分かっていない人が多いようです。鍼灸と言う名前がついてはりをさせば東洋医学だと思っている訳ですが、やっていることは実はタダの西洋医学。という…。

因みにどちらが良い悪いということではありません。 一長一短ですので治療家としてはどちらも勉強するべきなのです。 現代は西洋医学一辺倒なのでどこに行っても治らない人には結果的に東洋医学を使ったほうが治るというだけです。 西洋医学で治しても治るものはちゃんと治ります。

患者にとっては治りさえすれば西洋医学だろうと東洋医学だろうとどっちでも構わないはずです。 鍼灸師はこのことを頭にちゃんと入れて勉強する必要がありますね^^